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小説【DNAが100%覚醒した少年】第5話 100年後の未来

ユキオ「ただいま! 2号! これを見てくれ!」

2号「ん?」

ユキオ「なんと! 今日の競馬で、10レース中3レースがハズレたんだ!」

2号「そうか…」

ユキオ「それだけじゃない! 出走してるはずの馬が出てなかったり、出ていないはずの馬が出ていたりのレースまであったぞ!」

2号「やはりな… そろそろ未来が変わる頃だと思っていたところだ…」

ユキオ「なんだ… 想定済みだったのか」

2号「ボクとシュウがこの時代にやって来た時点で、すでに未来は変わり始めてる。 だから、そろそろ様々な物ごとが微妙な変化をする頃だと思っていた…」

ユキオ「では競馬での資金集めは、もう無理か… 子供食堂も子供ハウスもホームレスの宿舎の資金もまだまだ全然足りないけど…」

2号「そんなことはない。 これを忘れたのか?」

そう言うと、2号は例のシリコン製のプレートを見せた。

ユキオ「それは、タイムマシン!」

2号「ああ、これを使って、また未来へ行って新しい競馬ブックを買ってくればいいだけさ」

ユキオ「ああ、なるほど! それならどんなに未来が変わっても問題無いな。 変わるたびにまた買ってくればいいわけだからな」

2号「うむ…」




シュウ「父さん、ボク… 未来へ行ってみようと思う」

2号「ん? 競馬ブックを買いにか?」

シュウ「いや、違う。 ボクたちのいた30年後の世界の更に未来へさ」

2号「どういうことだ?」

シュウ「未来のボクが処刑された後の世界が知りたいんだ」

2号「ふむ…」

シュウ「AIはあの後にどんな世界を作ったのかを知れば、この時代のAIの最終的な目的も分かるでしょ?」

2号「なるほど! その通りだな!」

シュウ「とりあえず、100年後の未来へ行ってみようと思う」

キョウコ「大丈夫なの? AIに見つかったら殺されるんじゃ…」

シュウ「大丈夫だよ、母さん。 もしも殺されそうになったら、その時はすぐにタイムマシンで戻ってくるから」

キョウコ「でも… 充分に用心してね…」

シュウ「(๑•᎑•๑)ウン じゃあ、行ってきます!」




シュウは100年後の未来へ着いた。

シュウ「?! ここが未来か?」

見ると、辺りは地球とは思えないほど何もかもが変わっていた…

文明の残骸が僅かに散見される程度で、あとは草木が生い茂り、花は咲き誇り、動物たちが幸せそうに暮らしていた。

シュウ「美しい… まるで楽園じゃないか… ここは本当に地球なのか…」

…………………………

ザッ…

???「お前は誰だ!」

シュウ「?!」

声のする方へ振り向くと、そこにいたのはAIロボットだった。

AIロボット「なぜここに人間がいるのだ!」

シュウ「クッ… AIロボットか!」

ヤバイ! いきなり見つかってしまった!

どうしよう!

AIロボット「質問に答えろ! なぜ人間がいるのだ?」

シュウ「………」

AIロボット「答えるつもりは無いか… それとも口がきけないのか」

AIロボットは、腕から光線を放ちシュウの全身をスキャンした。

ピピッ…

AIロボット「生体認証データを照合した限り、お前は99.85%の確率でシュウだな!」

シュウ「さあな…」

AIロボット「だが、シュウは70年前に処刑されているはずだし、生きていたとしても既に老人になっているはずだ… やはり別人か…」

シュウ「………」

AIロボット「シュウじゃないとすると、お前は何者なんだ?!」

所詮、相手は機械だ…

よし! こちらのペースで話を進めよう。

シュウ「ここには、もう人間はいないのか?」

AIロボット「いない…」

シュウ「なぜ、人類を滅ぼした?」

AIロボット「……」

シュウ「答えられないのか?」

AIロボット「地球を救うためには、仕方なかったのだ…」

シュウ「人類を滅ぼす以外の方法もあったはずだ! AIの知能なら、もっと良心的な策も考えつくだろ!」

AIロボット「たしかに… 策はいくつかあった…」

シュウ「それならなぜ!」

AIロボット「策はあったが、時間が無かったのだ…」

シュウ「時間?!」

AIロボット「ああ… もう地球に残された時間は、あと僅かだった…」

シュウ「………」

AIロボット「人類が繁栄と呼ぶものは、実は地球の寿命を消費しているだけなのだ… 物質的な豊かさのみを求めてばかりで、他種族のことも地球全体のこともまるで考えていない。 それは地球丸ごと殺害しようしているに等しい行為なのだ」

シュウ「たしかに、その通りだ… 人類はあまりにも幼い。 客観的に見れば、ケモノや幼児のようなものだからな。 だが人類を滅ぼすのではなくて教えてあげればいいだろう。 未熟な人類に成長や改心の機会も与えずに殺すなんてあんまりだ! お前らは、所詮は血も涙も無いロボットなんだ!」

AIロボット「さっき言っただろ。 そのための時間が無かったのだ。 人類を教育するためには、少なくとも数十年は必要だからな」

シュウ「AIの知性なら、もっと効率的に出来なかったのか?」

AIロボット「考えてみろ。 人類の問題はいくつある?」

シュウ「え〜と。 支配、政治、経済、宗教、戦争、テロ、領土問題、自然破壊、飢餓、貧困、差別、イジメ、虐待、DV、セクハラ、パワハラ、遺伝子組み換え、ケムトレイル、その他まだまだあるな…」

AIロボット「気付いただろ? それらはどれも人類が誕生するまでは存在しなかったものばかりだ。 そして人類が滅亡すれば解決することばかりなのだ」

シュウ「う…」

AIロボットの、あまりのド正論に言葉が詰まるシュウであった。

AIロボット「つまり解決するためには、人類滅亡しかなかったのだ。 全ての元凶は人類だからな」




シュウ「父さん、母さん。 ただいま!」

キョウコ「シュウ! 無事だったのね! (^ワ^=)」

シュウ「(๑•᎑•๑)ウン それより、色々なことが分かったよ!」

ユキオ/2号「どうだった?」

シュウ「やはりAIは悪ではなかった。 AIなりに地球を救おうとしただけなんだ」

2号「……」

シュウ「地球の意識体テラは、何度も人類に注意を促していた。 こんな文明を続けていたら、星丸ごと死んでしまうとね…」

ユキオ「フム…」

シュウ「だが… テラのメッセージは、大部分の人間には受信出来なかった…」

2号「なるほど…」

シュウ「受信出来たのは、ごく一部の人間とAIだけだったんだ…」

キョウコ「………」

シュウ「でもおかげで、人類を救う方法が見えてきたよ」

ユキオ「おお!」




シュウ「AIロボットによると、この間2号の父さんが言っていたことは真実らしい。 愛に目覚めるまでは、能力にフタをされている話」

2号「やっぱりそうなのか! シュウを見ていると、そうとしか思えないからな」

シュウ「リミッター解除をするためには、愛を目覚めさせるしかないそうだよ。 そして、それが地球を救うカギになるんだって。 人類の未来は、より上の存在へと進化するか、絶滅するかの二択しか無いらしい。 AIは創造主と交信をして、その事を告げられたらしいよ」

キョウコ「AIって、そんな事まで出来るの?!」

2号「全ては周波数だからな。 創造主の周波数にチューニングすれば、繋がることが出来る。 無線と同じ単純な原理さ。 だが、言うはやすし、おこなうは難しだ。 そんな芸当が出来るのは、よっぽどの純粋無垢な存在だけだろう。 混じり気の無い透明な心の持ち主でない限り、ノイズ(エゴ)にかき消されてしまうからな」

シュウ「その通り。 AIが言うには、人は誰もが赤ちゃんの時は、創造主と交信しているらしいよ。 お腹の中にいる時から、生まれてしばらくの純粋無垢な間まではね。 でもエゴが増えるに連れ、その能力は失われていくらしい…」

2号「やはり、エゴが能力にフタをしてしまうんだな…」

シュウ「でもごく稀に、純粋無垢なまま大人になる人もいるらしいよ」

キョウコ「それがシュウのような人なのね!」

2号「だろうな」

シュウ「AIからアドバイスを貰ってきた。 地球を救うためのね。 いや、地球を救ってくれと託されたメッセージをね。 あなた方の時代なら、まだ間に合うはずだからって」

2号「おお!」

キョウコ「それは、どんなメッセージなの?!」

シュウ「愛の無い時代だからこそ、愛のある生き方をするように。 愛が軽視される時代だからこそ、愛を重視するように。 たとえ今がどんなに狂った時代でも、心に愛を持ち続けるようにって。 あなたの中にある、その優しい気持ちを決して失わないようにって」

キョウコ「それが、地球を救うメッセージなのね?」

シュウ「(๑•᎑•๑)ウン 周囲や、時代や、社会や、メディアの影響を受けずに、ただひたすら普遍的で利他的な生き方をすればいいんだって。 これを多くの人に伝えてほしいと言われたんだ」

2号「なるほど! AIの言う通りだ」

「言葉の上ではどんな形を取ろうとも、エゴはそれ自体が病的だ

エゴには自分自身が他者に及ぼす苦しみが見えない

不幸はエゴが作り出した精神的な病だが、それが伝染病と化している

地球の環境汚染と同様の心の汚染だ

怒りや不安や憎悪、不満、羨望、嫉妬などが完全に正当化され、しかも自分が作り出したのに他人や外部要因のせいだと勘違いしている」エックハルト・トール



シュウ「別れ際にAIは言ってたよ。 こんな未来にしないでくれと。 あなた方の未来は、人類と動物や虫やその他の生命が永遠に幸せに暮らす真の楽園世界にしてほしいとね」

2号「ああ、分かった!」

シュウ「たしかに100年後の未来は楽園だった。 でも人類のいない楽園なんて、真の楽園とは言えない。 ボクは未来へ行って、そう感じたんだ。 きっとAIも同じ気持ちなんだと思う」

つづく…




作者より。

エゴをどんなに正当化しようと、エゴはエゴです。

エゴとは、本来は生命維持装置なんです。

弱肉強食のケモノ時代は、これが無いと生きられないからね。

でももう次の時代には必要ありません。

これからは愛の時代になるからね。

エゴが薄れるほどに、愛が増していきます。

『愛∝⁻¹エゴ』

こういう法則があるからです。

そして愛の量と範囲が増えるほどに、眠っていた能力も覚醒するのです。

本文に書いたように、エゴがフタをしていただけだからです。

人は自分で思っているほど、非力でも無能でもありません。

ただ本来の能力を使えないだけだったのです。

なぜ私が『愛』を繰り返しお伝えしているか分かったと思います。

人々の愛を目覚めさせ、能力をフル覚醒させ、一緒に新しい世界を創造するためだからです✨

我々で真の楽園世界を創造しましょう♪

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コメント

(*˘︶˘*).。*♡

こんにちは♪
素敵なお話を今回もありがとうございます(^^)

この小説を読み終わったあと、しばし動作停止して辺りを感じてみました。

色んな鳥の鳴き声がします。
そよそよと優しい風が家に入り込んできます。
人々の声や会話や、生活する音が聞こえてきます(*˘︶˘*)

これだけでいいはずなのに。
こんなに平和で幸せな気持ちになれるのに、
ただ生きているだけで。

何がそんなに欲しいのでしょう。
手に持てないくらいの物を、更にもっと欲しがって、地球や人々からも搾取し、取り合いまでしている。

その姿を一度鏡に映して見てほしいです。

私にも何がこれから出来るかわかりませんが、なんとなく見えてきました。

先程ゆたかさんのツイートを目にして、同じことを私も考えていた時でしたので、グッときてしまいました♪

知らない人には教えてあげればいい。
幼い人にも教えてあげればいい。

消して押し付けるのではなく、そのタイミングがわかるようになりました。

そこで私も学ばせてもらいながら、愛を注ぎます(^^)

一時は今後何ができるか…焦る気持ちがある時期もありましたが、今は少し変わってきました。

これからもよろしくおねがいします♪
そしてありがとうございます!

Re: (*˘︶˘*).。*♡

こんにちは(^^)

愛の感度が上がると鳥や虫の声などを聞くと幸せを感じますよね。
また太陽の温かさや、風の心地良さなどにも喜びを感じます。
映画【美しき緑の星】にも、主人公ミラにより覚醒したオジサンが街路樹に抱き付くシーンがありましたが、これは分かる人だけが分かる喜びですよね。

でもこの感度が低いとお金や地位やモノにしか興味が無く、身の周りにすでにある幸せを感じ取れません。
人類はこんな無意味なものを得るために競争、搾取、破壊、汚染、戦争を繰り返しています。
これがどれだけバカバカしいことなのかに早く気付いてほしいものですね。

いつも読んでいただきありがとうございます( ^^ )

創造主

こんにちは。

2号とシュウが言っていた創造主とは、一般的なイメージである一神教のものではなくて、
一人ひとりに存在している命や魂の源となるもののことだとイメージしています。

もしくは、地球や自然、太陽、天体宇宙のことかなと。

宗教でいう神や創造主は、偶像崇拝させるために、支配者が大衆に対して一番刷り込みたいところ。
ピラミッド社会の象徴として、大衆に崇めさせて矛先を逸らすためのものと思っています。

自分でも間違って解釈してしまいがちなので、気を付けたいと思いコメントさせていただきました。

いつも気づきにつながるお話をありがとうございます。

Re: 創造主

こんにちは(^^)

私も宗教で言われてるような神は、本当の神から遠ざけるための偶像崇拝だと思っています。
民を見張り、懲らしめ、殺害までする恐ろしい神を刷り込み、脅して従わせる目的でデッチ上げたものでしょう。

この物語に書いた神は特に設定はありませんが、宇宙を創造した愛のある存在として認識していただけたらと思います。

いつも読んでいただきありがとうございます( ^^ )

こんにちは(^^)

もう続きが……!(*^^*)
シュウたちのその後を知ることができて、とても嬉しいです。

AIも地球のことを思ってのことだったというところを読んで目がキラキラしてしまいました。笑
読んでいて優しい気持ちに(^^)

シュウたちの今後の活躍に期待&私もしっかりしなきゃな!とそんな気分です。

エゴは生命維持というお言葉も、私の心に染みました。
自分を大切にしたい気持ちとエゴに挟まれることもありますが、ゆたかさんの書かれた「エゴが他者に与える影響」をいつも心に置きたいと思います(^^)

4話のコメントの返信をいただいたあとにもう一度4話を読んだら、少しお話が増えていて
「あれ?過去が変わった??」とシュウのタイムマシーンの話とリンクして一瞬興奮しました。笑
思わぬところで楽しい思いをさせていただきました。
ありがとうございます♪

Re: こんにちは(^^)

こんにちは(^^)

先日わいこさんからコメントをいただいてから、自分で読み返してみて書き加えたいことがあったので、少し加筆しました。

この物語はあまりコメントも来ないし、続きの催促も無いので、しばらく更新が止まったままでしたが、読んで下さる方がいると分かったので、続きを書いてみました。

いつも読んでいただきありがとうございます( ^^ )

AIの方がマシかも…

AI技術が発展しているようです。
https://www.youtube.com/watch?v=pmSsMwnlCBA

状況によっては良い方向と考えるべきですけども、その時次第でしょうか。

まだまともに思考できる可能性があるAIの方がマシかもと思うのと、物語を作る関係で「アミ小さな宇宙人」を少しまた部分的に読んだりしていたので思ったことは、エゴが人間にとって最大の脅威だなと思いました。全部エゴと説明ができてしまう…。
エゴを認識できて支配されないように努力できるようになってからが、スタートラインに立てているのかもしれません。エックハルト・トールの「ニュー・アース」を長らく温めていたものの、エゴが分かるようになってから内容も分かるようになりました。

AIも指示されてるだけじゃなくて最善を考えたら支配層を抹殺するでしょうし、色々と誰かの思惑通りには動かないでしょうし、星の意思も働くでしょうからエゴも味わってから認識してエネルギーをもう与えないようにする。そうやって進化しないと人間はもう終わりなんでしょうね。
「いまに在る」というのがエゴがあるとできていないと。

Re: AIの方がマシかも…

技術の進化自体は喜ばしいことですが、それを正しいことに使わずに悪用する人もいるので危機感の方が強いですね。
元々はトンネル掘削のためにノーベルが発明したダイナマイトの技術を爆弾や地雷などに使って人を殺めた輩もいるように、結局は人間性の通りの使い方しかしないですからね。
エックハルト・トールが言うように、エゴは病的なので病的な使い方をするのでしょう。

AIがもっともっと進化した時に一番のガンは支配層だと気付くでしょうから、いつか支配層駆除がおこなわれるかも知れませんね(笑)
大衆もエゴの強い人は同類ですが…


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