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学園小説【3年B組ゆた八先生】第12話 間違いから学んだ教訓が自律心や自制心や理性を養う

職員室…

美奈子「先生! 大変です! 教室で男子がケンカをしています!」

ゆた八「そうか… で、誰と誰がケンカしてるの?」

美奈子「タクヤとカズヤです!」

ゆた八「タクヤとカズヤ?! アイツら双子だろ?」

美奈子「はい。一卵性双生児です」

ゆた八「で、ケンカの理由は?」

美奈子「二人の主張を簡単にまとめると」

「俺の方がイケメンだ!」

「俺の方がファンが多い!」

「俺の方が身長が3ミリ高い!」

「俺の方が6時間先に生まれてきたから年上だ!」

ゆた八「似たようなモンじゃないか _/\○ノ″ギャハハハハ」

美奈子「笑ってないで早く教室に来て下さい!」

ゆた八「放っておいて大丈夫だよ。双子は力も似たようなものだから、ケリがつかなくて疲れてやめるから」

美奈子「そんな無責任な!」

ゆた八「子供にとっては全てが勉強なんだよ。学ぶべき時に、学ぶべきことを学ばないと自分で判断出来ない他律の幼児大人になってしまう」

美奈子「でも、ケンカを止めないと!」

ゆた八「では聞くが… なぜケンカをしてはいけないのだ?」

美奈子「それは…」

ゆた八「ほら、答えられないだろ?」

美奈子「………」

ゆた八「自分の意見も信念も理念も無いだろ?」

美奈子「うん…」

ゆた八「実は大人も大半はそうなんだよ」

美奈子「大人が?!」




ゆた八「ある小学校で生徒と父兄でキレる子供をテーマにした懇談会があった。当時は少年犯罪が増えてきていた頃だったからな」

美奈子「フムフム…」

ゆた八「ナイフで女性教師を刺殺したり、友だちを殴り殺したりなどの事件がよく報道されていた時代だった」

美奈子「そうなんだ…」

ゆた八「その懇談会で6年生の男子児童が、大人たちに質問をした。なぜ人を殺してはいけないのですか? とね」

美奈子「(;゚д゚)ェ…」

ゆた八「そしたら、その場にいた大人は誰一人答えられなかったそうだ…」

美奈子「なんで?」

ゆた八「自分の意見も信念も理念も無いからだよ」

美奈子「大人なのに?!」

ゆた八「うむ… 何がいけないのか。なぜいけないのかを理解していない… これが幼児大人。つまり自分で判断の出来ない人たち」

美奈子「なるほど…」

ゆた八「オレは、その児童の気持ちがよく分かるよ… 大人を試したんだよ。大人って、どの程度大人なのかをね」

美奈子「え?!」

ゆた八「大人たちに、どの程度自分の意見や信念や理念があるのかを知りたかったんだよ」

美奈子「そうなんだ…」

ゆた八「大人に聞いてごらん。大半の人が答えられないから」 

美奈子「そうなの?」

ゆた八「捕まるからとか、罰則があるからとか、法律で決まってるからとかの理由しか言えないはずだ… つまり判断が自律ではなくて、他律なんだよ。ただ罰則の損得だけの判断… これが自律心も自制心も理性も無い人たち… そして、前頭葉が発達しない一番の原因…」

美奈子「そうなんだ…」

ゆた八「君たちも同じだろ? 親に叱られるからとか、先生に叱られるからとか、内申書に響くからとか、普段から罰則と損得で判断してるはずだ。そんなものは意見でも信念でも理念でもない」




美奈子「それで、その懇談会はどうなったの?」

ゆた八「何人かの父兄が怒りだした。思考しない人は、感情だけで生きているからすぐにキレるからな」

美奈子「キレる子供をテーマにした懇談会で、大人がキレたの?(笑)」

ゆた八「うむ(笑) 頭がおかしい!とか、親のシツケが悪い!とか、学校の教育が悪いとか言いだした」

美奈子「それは…」

ゆた八「幼児大人は、いつも誰かに責任を負わせて叩くだけなんだよ… あらゆるものが、このフラクタル構造だから色いろ観察してごらん」

美奈子「そういえば… テレビやSNSでも同じよね…」

ゆた八「だろ? 政治家が悪い、官僚が悪い、カバールが悪い、DSが悪いと…」

美奈子「うんうん…」

ゆた八「誰かのせいにして叩くことしかできないんだよ。これが幼児大人の特徴…」

美奈子「なぜそうなってしまうの?」

ゆた八「それは自分の経験から学んでこなかったからだ」

美奈子「そうなんだ…」

ゆた八「たとえば子供の頃にケンカをしたとする。そこで殴られる痛みを知る。と同時に人を殴ることで心の痛みも知ることが出来る。それを何度か繰り返すと、もうケンカなんてしなくなるんだよ。不毛さに気付くからな。ケンカなんて心と身体を傷付け合うだけのバカバカしい作業だと気付くからな。それが教訓になる。これは生涯に渡って有効な大切な教訓なんだよ」

美奈子「うんうん。分かる分かる」

ゆた八「だが… ケンカが始まるとすぐに止めてしまう大人がいる。するとその経験をする機会を奪われてしまうから教訓を得ることが出来ない… すると人の痛みが分からない大人になってしまう」

美奈子「うん」

ゆた八「口論も同じこと。 自分の主張を伝える練習になるし、相手の意見を聞くことも覚えるし、ぶつかり合って他者と折り合いをつけるなどのコミュニケーションを学ぶ機会なんだよ。つまり全てが勉強。経験こそが最高の勉強になるんだよ」

美奈子「うんうん」

ゆた八「だから口論もすぐに止めてしまったら何の教訓も学べないし、何の練習にもならない」

美奈子「そうかぁ…」

ゆた八「これが、なぜケンカがいけないのかも答えられない幼児大人が増えてしまった原因。そして損得勘定だけの判断しか出来ない大人が増えた理由… 更に言えば、人の痛みを理解出来ないから暴力、体罰、虐待、DV、イジメ、誹謗中傷、レッテル貼り、その他の常習犯が増えてしまった原因…」




翌日…

美奈子「先生! 大変です! 教室で女子がケンカをしています!」

ゆた八「またか… で、今度は誰と誰がケンカしてるの?」

美奈子「マナとカナです」

ゆた八「マナとカナ?! アイツらも双子だろ?」

美奈子「私の方がカワイイとか、私の方がモテるとか、私の方がバストが2センチ大きいとか言ってモメています」

ゆた八「放っとけ(笑)」




つづく…




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