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小説 【父ちゃんが遺してくれた聖書】 第2話 今してることは未来の自分にしてること

ムジント「( ˘ω˘)スヤァ」

級友たち「あ! いたいた! やっと見つけた!」

ムジント「え?」

級友たち「みんなで君のことを探してたんだ」

ムジント「あ… そう…」

また何か絡んできやがった。

なぜ放っておいてくれないのか…

級友たち「あのワル3人組をやっつけたんだって? 校内で話題になってるよ」

ムジント「へぇ…」

どうでもいい…

級友たち「次のボスはムジント君だって」

ムジント「ボスの座なんぞに興味は無い。 欲しいヤツにくれてやる」

くだらないことで起こすなよ。

頼むから、オレのことは放っておいてくれ。

父ちゃんの聖書

「弱い人間は独りでいられない。

そのため、強い人間に保護してもらいたがる。

コバンザメのように、ベタベタまとわりついてくるのだ。

だが… 決して仲間だと思ってはいけない。

自分を守ってもらうことしか頭にないからだ。

そして守ってもらえなかった時、被害者ヅラをして、全てをこちらのせいにする」



級友たち「僕たちのことを守ってね」

( ゚∀゚)・∵ブハッ!!

父ちゃんの言う通りじゃないか…w

では予め釘を刺しておくか。

ムジント「人をアテにするな。 自分の身を守るのは自分だけだ。 オレはお前らのボディーガードになるために生きてるわけではないし、守ってやる義理も無い」

級友「なんでだよ」

ムジント「人に依存することは断じて解決策ではないのだ。 人に依存せずに自分自身で解決出来るようにすることが真の解決策だからだ」

級友「チェッ! ケチ!」

これも父ちゃんの言う通りだ。

自分の要求が通らないと、態度を豹変させやがる。

なぜなら、自分の都合が全てだからだ。

これがコバンザメの生態…

しかし、父ちゃんの聖書はスゴイな〜

人間たちの生態が詳しく書かれてある。

やはり父ちゃんは偉大だ。




その後、クラスメートからのシカトが始まった。

( ˘ ˘) ツーン ( ˘ ˘) ムシムシ ( ˘ ˘) シカト

きっとあの連中がみんなに呼び掛けたのだろう。

父ちゃんの聖書

「重度の甘ったれに自立や自己解決を促すと、逆恨みされることがよくある。

彼らはタメになる教えではなくて、ラクをするための教えにしか興味が無いからだ。

それでも自分を曲げる必要は無い。

真の教導者は、みんな同じ目に遭ってきたのだ」



父ちゃんは、なぜこんなに何もかも分かるのだろう。

きっと父ちゃんも同じ目に遭ってきたんだろうな。

ということは、今オレは父ちゃんが歩いた道を歩んでいるということか。

そして歩きやすくするために、たくさんの教えを遺してくれたのだ。

ありがとう 父ちゃん…

いなくなってからも、オレを支えてくれてるんだね… クスン




あれから1週間が経ったが、依然としてシカトは続いていた。

ムジントは休み時間のたびに、独りになるために屋上に来ていた。

ムジント「だれも寄って来なくなった。 これは快適だぜ…w」

人間と関わりたくないムジントにとって、シカトは何のダメージにもならなかった。

結局は自分次第なのだ。

独りでいられる強さがある人は嫌われることも孤立することも恐れないからだ。

と、そこへ一人の女子生徒が現れた。

女子生徒「来ちゃった…」

ムジント「君は?」

女子生徒「私は良田良子」

ムジント「そうか…」

良子「私… みんなに言ったの。 もうシカトはやめようって… そしたら、私までシカトされることになっちゃったの…」

ムジント「ほう!」

こんな子もいるのか。

人のために何かをする勇気と優しさのある人を見るのは初めてだった。

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ムジント「ありがとう… 感謝している」

猛獣でもコバンザメでもなく、人間らしい人間もいると知れたことが、とても嬉しかった。

ムジント「何かお礼がしたい。 オレに何をしてほしい?」

良子「お礼なんていいわよ。 そんなつもりでしたわけじゃないし」

何も要求しない清らかさに、ムジントはますます心魅かれた。

よし! ではオレに出来る最善のことを何か考えてあげよう。




放課後…

ムジント「良子。 一緒に帰ろう。 どうせ独りなんだろ?」

良子「うん… みんな私から離れてったから…」

ムジント「離れていくヤツは離れていけばいい。 本当に友だちと呼べるのはツライ時こそ一緒にいてくれる人だけだからな」

良子「そうよね… ありがとう。 少し元気が出たわ」

ムジント「あ! 靴が無い!」

ムジントが靴箱を開けると、あるはずの靴が無かった。

良子「あ! 私のも無い!」

ムジント「良子まで…」

よし! これは良子にお礼をするチャンスだ。

この問題はオレが解決してやろう。

ムジント「家に帰れば、替えの靴はあるんだろ?」

良子「うん」

ムジント「それなら、今日は上履きで帰ろう」

良子「分かった」





翌日…

ムジント「良子 おはよう。 カギを持ってきたぜ 🔐チャリーン」

良子「カギ?」

ムジント「うん。 これを靴箱に付けておけば、何も出来やしないさ」

良子「ああ、なるほど」

ムジント「それと、もう1つ渡しておく。 🔐 こっちはロッカーのカギだ。 盗まれたり隠されたりしたくない物は全てロッカーに入れておくといい」

良子「うん。 分かった。 ありがとう」

ムジント「どいつが犯人か分からないが、そいつらのやる事の上を行けばいいのだ。 そうすれば、いつかやめるから」

良子「うん。 でも昨日先生にメールしたの。 私とムジント君の靴が隠されたこと」

ムジント「そうか」

良子「だからすぐに解決すると思うわ」

そうかなぁ…

オレたちがシカトされてることさえ気付かない、あの愚鈍な先生に解決能力などあるとは思えなかった。





キーンコーン カーンコーン♬

先生「え〜 授業の前に話がある。 昨日良子とムジントの靴が隠されたそうだ。 心当たりのある者は名乗り出なさい」

シーン…

やっぱりな…

名乗り出なさいと言われて、素直に名乗り出るとでも思っているのかよ…

卑劣な人間が正直なことをするとでも思っているのかよ…

案の定、何も分かってねーな… このオッサン…




1ヶ月後…

当然のことながら、犯人は名乗り出ず、事件は風化してしまった。

父ちゃんの聖書

「バカには問題解決能力はもちろん、記憶力すら無い。

そのため、いつも未解決のまま事件を風化させてしまうのだ」



ムジント「スゲー! 父ちゃんの聖書には、何でも書いてある。 まるで作者が都合によって書き足しているかのようだ…w」

だが… 嬉しい兆しも表れ始めていた。

女子たち「良子… ムジント… シカトしてゴメン…」

良子「みんなどうしたの?」

女子たち「シカトに加わらないと、仲間ハズレにされるから仕方なく従っていたの… でも… もうこれ以上心苦しいことはしたくないの… ゴメンさない… 本当にゴメンなさい…」

良子「いいのよ。 よく勇気を出してくれたわね」

女子たち「許してくれるの?!」

良子「もちろんよ。 私たち友だちでしょ? 本当の友だちは、一回や二回の出来事で壊れたりしないわ」

女子たち「ありがとう… 本当にありがとう…( ;∀;)」

父ちゃんの聖書

「心苦しいことや、後ろめたいことは、決して長くは続かないものなのだ。

人間には良心があり、その良心に反することをすれば強いサインで警報を発して知らせてくれるからだ。

それが心の痛みの正体だ。

この痛みは決して無視してはいけない。

無視した数だけ、人が人でなくなっていくからだ」







それからは、この女子たちは休み時間のたびに屋上に来るようになった。

そして、この女子たちの呼び掛けにより、その日を堺に、日に日に屋上に来る子が増えていった。

いつしか、屋上はクラスの大部分が集まる溜まり場と化していた。

ムジント「フム… ということは、ここに来ないヤツラがシカトの首謀者であり、靴を隠した犯人の可能性が高いな」

みんなは、無言で頷いていた。

ここにいないのは、あのワル3人組と、コバンザメたちだった。

やっぱりね…

なんと! 犯人捜しなどせずとも、犯人が炙り出された。

そして、いつしか誰も相手にしなくなり、自動的にクラスで孤立していくこととなった。

これは『自因自果』の法則通りの結果だった。

だから普段から『自他同一』の意識レベルで行動することが大切なのだ。

人にすることは、未来の自分にしてることなのだから。




つづく。





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コメント

新小説♪

こんにちは♪

「地球の人間の生態まとめ、そしてこれからを決めるのは自分次第」

これを読んでどうするのか、どう生きるのかを試されるような、総清算的な小説!

父さんの聖書の欄はいずれまとめたいと思います(笑)

私がこの小説の帯(笑)に解説や感想を書かせてもらえるならこう書くな♪というような心境になりました(*^^*)

全ての立場の人間が読んでタメになる内容だと思います!

Re: 新小説♪

こんにちは(^^)

本当の聖書って、実質的で実用性のあるものだと私は思うんです。
人も動物もその他全ての存在の喜びと幸福のためになる情報であるべきだと思います。
それなのに聖書の神は気に入らないと街ごと破壊したり、仔牛を崇めている人を妬みから殺害したり、洪水を起こして3000万人以上も殺したりと、やってる事は悪魔そのものです。
しかも、こんなものを信じないと地獄に落ちると言って脅してるのがキリスト教です。
この小説が聖書の本質や宗教の本質を今一度考えるキッカケになれば嬉しく思います。
父が子を思う気持ちで書かれた本物の聖書を表現出来れば、キリスト教をはじめとする悪質なカルト宗教から目覚めるかも知れません。

現実世界でも起きてること

何やらNHKやら、厚労省からもまともな人間が辞めてるそうですね。
まんま小説通りで、まともな神経を持ってたらいられませんし、そうやってゴミしか残らないのでしょう。

まあ、ゴミだらけになったらゴミみたいなことしかやれない(代表例がテレ朝で、日本人がほとんどいないからクソみたいな番組しか作れない)ので、堕ちていくだけですね。誰も相手にしないのがベスト。
墓穴を掘って自分の墓を作ってるんでしょう。

ほっといても勝手に解体されていきそうなのが現代で、そこからどう生きるかも考えるべきタイミングになってきましたね。
「で?」っていう返しで解決することが増えつつあるし、詐欺師と変態が増えているので一つの節目でしょうか。気づいた人は順調です。

Re: 現実世界でも起きてること

社会がドンドン狂ってきてるので、マトモな人ほどハミ出しますね。
理性や良心や自制心などを司る前頭葉を使っておらず、爬虫類脳メインで生きてる人が多いケモノ社会です。

現代は文明の末期だと思います。
一度壊れてから、また一からやり直すことになるのかも知れませんね…

No title

父ちゃんの聖書、本当に何でも書いてありますね。
自分と同じ目にあってきたのだなと父親への想像力も素晴らしいと思います。

「あなたのためを思って」と押し付けてくることはよくあることだと思いますが、ただの都合ですので全く腑に落ちないです。
ですが、父ちゃんの聖書は本当に大事なものは何か?を理解しやすいように表現されていて、生きていく中で本当に現実的な内容だと思いました。

Re: No title

子供に必要なのは実質的で実用的な教えだと思ってます。
独りでも強く正しく生きられるように、自立自律を教え、太くて強い自分軸を構築させてあげることだと思ぃす。
決して無駄で無意味なデータを暗記することでも、人の言いなりになる奴隷に育てることでもないはずです。
地球は教育そのものが根底から間違っているのです。
この小説で奴隷になるためのシツケや学校教育で育った子と、本当の教育を受けて育った子の違いを表現出来ればと思っております。

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