小説 【父ちゃんが遺してくれた聖書】 第4話 オフグリッド生活始まる

0 0
良子「ムジント君のお父さんって、スゴイなぁ…」

もう何年も前に亡くなっているのに、教えは今でも生き続けているんだもんね。

息子が独りでも強く正しく真っ直ぐに生きていくための教えをたくさん遺してあるんだもんね。

これこそ責任のある教育だわ。

そして、これこそが真の親の遺産だわ。

使っても消えない、無くならない、色褪せない本物の財産だもん。

ウチの親はどうだろう?

親から教わったことって何があるかなぁ…

う〜ん…







何も出てこない…w

思い浮かぶのは「勉強しなさい!」「宿題やったの?!」「テストの結果どうだった?!」くらいかしら…

これは教育ではないわ…

何の成長にも繋がらないし、もちろん自立や自律にも繋がらない…

生きてるウチの親よりも、もうこの世にいないムジント君のお父さんの教えの方が遥かに生きた教えなのね…

良子は教育や子育ての本質を理解し始めていた。

良子「そういう意味では、学校の勉強も教育とは程遠いシロモノよねぇ…」

きっと、ムジント君にはそれが分かってたから、最初から勉強をするつもりが無かったんだわ。

あれ以来、ムジント君は学校に来なくなっちゃったけど、今どこで何をしてるのかしら…

心配だなぁ…




ムジント「( >д<)、;'.・ ィクシッ」

ん? 誰か噂してるのか?

きっと良子が「ムジント君は、今どこで何をしてるのかしら。 心配だなぁ」とか言ってるのかも知れないな。

野生児のカンは並みではなかった。

ムジントは前々から準備してあった秘密基地に来ていた。

元々、孤児院に長居をするつもりなどなかったため、サバイバル生活が出来る場所を探しておいたのだ。

それがここ。

学校の裏山にある洞窟だ。

ここは湧き水が豊富にあるし、野草やキノコや木の実や果実の宝庫だったため、前々から目をつけていた場所なのだ。

ここにいれば、当分生活に困ることはないからだ。

ゴロン…

ムジント「やっぱり独りは快適だな♪」

本土に連れて来られて初めて独りになれた。

オレに人間は要らない。

学校も社会も邪魔なだけだ。

独りで生きられるオレにとって、自由を奪うものは迷惑でしかないのだ。

ムジント「ここは静かだなぁ。 平和だなぁ。 自由だなぁ。 人間のいない場所には、オレの望むものが全てある」

でも良子にだけは、ここの場所を教えておくか。 きっと心配してるだろうからな。

ムジントは夜中に学校に忍び込み、良子の靴箱に手紙を入れておいた。✉







翌朝…

良子「あ! 手紙が入ってる。 ムジント君からだわ♡」

『良子へ オレは独りで暮らすことに決めた。 もう孤児院にも学校にも戻るつもりは無い。 でも良子にだけは、ここの場所を教えておく。 地図を同封しておくから会いたい時に来てくれ。 ムジントより』

良子「よかった〜 無事だったのね。 (*´∀`)=3 ホッ」




ムジント「よし! では良子が来た時のためにご馳走を用意しておくか」

ムジントは、探索も兼ねて今までに行ったことが無い場所に行くことにした。

(((╭( ・ㅂ・)╯テクテク





ムジント「うわ! ヒドイ! 何だアレは!」

見ると、山の斜面に設置されたソーラーパネル群が雪崩のように崩落していた。

ムジント「先日の台風による豪雨で、斜面ごと流れ落ちてしまったようだな…」

これのどこがエコなんだよ…

自然を破壊した上に、ゴミを増やしてるだけじゃないか…

やはり人間のやる事はおバカだな ((´∀`*))ケラケラ

学校の勉強をしたって、こんなバカなことしか出来やしないんだから。







少し行くと、今度は不法投棄された家電製品がたくさん見えてきた。

ムジント「うわ… 今度は不法投棄かよ…」

( ˘・A・)マッタク… 

せっかくのキレイな自然が台無しだ…

父ちゃんの聖書

「人は必ず心の通りの行動しかしない。

やってる事=その人の心そのものなのだ。

キレイな心の持ち主はキレイなことをするし、

汚い心の持ち主は汚いことしかしない。

優しい心の持ち主は優しいことをするし、

ズルい心の持ち主はズルいことをするし、

乱暴な心の持ち主は乱暴なことをする。

自分の行動が個人的な現実を創っており、

その総和が全体の現実を創っているのだ。

この真理を心底理解した時、他責や他力の無意味さに気付くと共に、自分が何をやればいいかと、何をやめればよいかが同時に見えてくる」



父ちゃんの言う通りだ。

きっとゴミのように汚い心の持ち主がコレを捨てたんだろう。

そして真理などまるで理解してないおバカな人間だということを自らの行動で晒しているのだ。

見ると、中にはまだ捨てて日が浅いと思われるキレイな状態のものもあった。

テレビ、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、エアコン、その他家財道具一式がキレイなまま捨ててある。

ムジント「ん? 何でこんなにキレイなんだろう… まるで最近まで使っていたかのようだ」

もしかして… これって壊れたから捨てたわけではなくて、引っ越しで捨てたのかも知れないな。

だとしたら、まだ使えるはずだ。

ムジント「よし! 使えそうなモノは持ち帰ろう」

まずはフライパンや鍋や炊飯器などの調理器具からだ。




良子「おかしいわね… 地図だとこの辺に洞窟があるはずなんだけど… 」

(๑*д*๑)ヨイショ ヨイショ ハーハー ゼーゼー 

良子「あ! いた!」

ムジント「良子! もう来たのか」

良子「無事でよかった… (๑o̴̶̷᷄ _ o̴̶̷̥᷅๑)ウルウル」

良子は薄っすら涙を浮かべていた。

ムジント「心配かけたな。 スマン…」

良子「無事ならいいわ。 ところで何を運んでるの?」

ムジント「これは、カクカクシカジカで…」

良子「そうなんだ〜 それなら私も運ぶの手伝うわ。 二人でやれば早く終わるでしょ?」

ムジント「それは助かる! 実は冷蔵庫は一人では苦戦しそうだったんだ」

ムジントは、一人で出来ることばかりではないと気付き始めていた。

そして、人のありがた味にも気付き始めていた。

邪魔な人間ばかりではない。

助けになる人間もいるのだ。

そういう人と協力し合えば、互いに助け合える関係が築けるのだ。




良子「ところで洞窟は?」

ムジント「すぐ目の前にあるよ」

良子「え?!」

ムジントは草を編んで作った扉をどかした。

良子「これ扉だったの?! 気付かなかったわ」

ムジント「気付かれにくいように保護色にしてあるんだよ。 他の人間に見つかるとまた面倒なことになるからな」

良子「うんうん…」

ムジント「さあ、入って」

良子「お邪魔しま〜す。 へー 中は意外と広いのね」

ムジント「うん。 ここに家電製品一式を運び込んで、山菜やキノコなどの料理で良子をもてなすつもりでいたんだ」

良子「まあ嬉しい♡」

ムジント「でもまさか、こんなに早く来るとは思わなかったけどな(笑)」

良子「それなら私も手伝うわ。 一緒にやりましょう」







ムジント「ε-(´・`) フー 運び終わった〜 良子のお蔭で三往復で済んだよ。 ありがとう」

良子「お役に立ててよかったわ。 でも明日筋肉痛になりそう…w」

ムジント「女の子に力仕事をさせてしまってゴメンな…」

良子「ヾノ´∀`*)ん〜ん それより電気はあるの?」

ムジント「途中ソーラーパネルの崩落地があっただろ? あそこから何枚か失敬してこようと思う。 あとは廃バッテリーとインバーターを用意すれば家電製品が使えるんだよ」

良子「フ〜ン よく分からないけど、オフグリッドって知識も必要なのね」

ムジント「まあ多少はね。 でも学校の勉強に比べたら遥かに簡単だけどな」

良子「フーン」

ムジント「これで『食』と『住』は確保出来た。 残りは衣服だな。 今着てる一着しかないから、洗濯する時は全裸になってしまうのだ…w」

良子「まあ、それは大変ね(笑)」

ムジント「明日は衣服の調達に行ってこよう」




つづく






























関連記事
ページトップ