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憎しみは憎しみによって止まず

以前、読んだ本で印象の強かったものをご紹介します。

自分の息子を少年ギャングに殺された母親の話です。

その母親は裁判所でその加害少年に向かって「いつかあなたを殺してやる!」と言い放った。

母親にとっては当然のことでしょう。こんなこと許せるはずが無いのだから。

その後、その母親は復讐のために加害少年の事を徹底的に調べあげた。

その少年は、捨て子で親も知らずにスラム街で育ち、生きるためにはギャングに加わり、強盗や窃盗、時には麻薬売買や殺人まで犯さないと生きることさえ出来ない過酷な環境で育ったことを知る。

殺された自分の息子はわずか十数年とは言え、親の愛を一身に受け加害少年よりは、遥かに幸せな人生では無かっただろうかと思うに至った。

もし自分の息子が、同じような環境で育ったら、その少年のようになっていたかも知れない。

いや、他の誰であろうと、そんな環境で育ったら、そう大きくは変わらないだろう。

これはその少年が悪いわけでは無い。

そんな愛の無い環境を作ってしまった我々大人に責任がある。

その少年は法律的には加害者ではあるが、元々は社会の犠牲者でもあるのだ。

この少年に罪は無い。母親はそう思った。

そうだ! 愛を知らずに育ったこの少年に私が愛を教えてあげよう。

それから、全ての裁判に欠かさず出廷して、勾留期間中も何度も面会に訪れ「何か欲しいものある?」「何か困った事ある?」と出来る限りの愛を注いだ。

服役中も同じように何度も足を運び「大丈夫、私がついてるから」「すぐに出られるからね」などと励まし続けた。

出所後は家へ迎い入れ住むところと仕事まで世話をし、その後、養子縁組をし本当の親子となった。

ある時、母親は聞いてみた「あの時、私が言ったこと覚えてる?」

「もちろんさ。とても怖かったよ」と少年が答えた。

「あの時の愛を知らなかった殺人犯のあなたはもういないのよ。今いるのは愛される喜びを知った私のもうひとりの息子なのよ」

その後、2人は愛のある家庭で親子仲良く幸せに暮らしたそうです。

この母親は復讐より愛を選んだのです。

愛が殺人犯を善人に変えたのです。



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誰もが、この母親のように、立派なことが出来るわけではありません。

誰にでもすぐには許せないことの1つや2つあって当然です。

でもその相手もツライ環境で育った、家庭や社会の犠牲者かも知れませんね。

私のツイートやブログをお読みになられている方はお気づきかも知れませんが、一度も個人批判をしたことはありません。

するのはシステムや習慣などの日常的で常習的な環境についてだけなのです。

誰もがそれの犠牲者なのだから。

そのことに気づかない人たちの書いた新聞、テレビ、ネットなどは、常に誰かを攻撃しているものが、とても多く見受けられます。

誰か1人だけが悪いということはまずありえないのです。

みんな何かの犠牲者でもあり加害者でもあるのです。

個人批判より全体の愛や喜びや幸福を考えてみてはいただけないでしょうか?

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