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学園小説【3年B組ゆた八先生】第4話 本物を知ってニセモノだと気付く

ゆた八「では、授業を始めます」

生徒たち「先生! これなに?」

それぞれの机に豆腐、醤油、味噌、納豆の4品が乗っていた。

ゆた八「これは、みんなへのプレゼントだよ」

生徒たち「プレゼント?」

ゆた八「うむ。オレが大豆から全て手作りで作ったものばかりだよ」

生徒たち「おお〜」

ゆた八「まずは、豆腐を一口食べてごらん。何も付けずにね」

生徒たち「ハム…」

「ムシャムシャ…」

「モグモグ…」

美奈子「先生! ウソはやめて下さい! これは豆腐ではありません!」

ゆた八「正真正銘の豆腐だよ」

美奈子「だって… いつも食べているスーパーのお豆腐と全然違うもん…」

ゆた八「ウソをついているのは、オレではなくてスーパーの豆腐の方なんだよ」

美奈子「スーパーのお豆腐がウソ?」

ゆた八「うむ。豆腐をマトモに作ると、こうなるんだよ」

美奈子「お豆腐って、こんなに濃厚で香ばしいものなの?」

ゆた八「うむ」

美奈子「じゃあ、いつも食べているスーパーのお豆腐はなんなの?」

ゆた八「あれは、利益のために数十倍に薄めて作ってあるんだよ。でも、それでは固まらないから凝固剤という添加物を使って無理やり固めたものを、豆腐と称して売っているんだよ」

美奈子「そうだったんだぁ…」 

ゆた八「だから、水っぽくて味も香りも無いんだよ。醤油や薬味を使わないと食えたものじゃないだろ?」

生徒たち「たしかに…」 

ゆた八「混じり気なしの本物の豆腐は、何も付けずに食べても充分なくらい濃厚な味と香りがあるんだよ」

生徒たち「豆腐は健康食品の一種だと思っていたけど、実際は違うんだね…」

ゆた八「うむ… しかもスーパーの豆腐は大豆ではなくて、大豆のカスを使っている。コストを下げるためにね…」

生徒たち「ええ?! つまり、カスから作ったものを数十倍に薄めて、それを凝固剤という添加物で固めたものを売っているということ?」

ゆた八は、コクリと頷いた。

生徒たち「そんなのインチキじゃん…」

ゆた八「大量生産、大量消費社会では、味も安全面も犠牲になるんだよ。お金という紙切れのためにね…」




ゆた八「次は醤油をナメてごらん」

生徒たちは、醤油の皿に指を浸けてナメてみた。

生徒たち「ペロッ」

「美味しい!」

「醤油って、こんなに良い香りがするものなの?」

ゆた八「うむ。これも同様にマトモに作った場合は、こうなるんだよ。何年もかけて熟成発酵をさせるから香ばしくなる」

生徒たち「醤油って、そんなに時間がかかるんだ?」

ゆた八「うむ。スーパーで売られている醤油は、促成醸造といって工業的に作るから2ヶ月くらいで出来る。もちろん利益目当てだから、マトモな製法ではない」

生徒たち「たしかに、スーパーの醤油なんて塩っぱいだけだもんね」

ゆた八「うん… これも大豆のカスから作り、添加物をたくさん使っているからロクなものではない」

生徒たち「じゃあ味噌も同じ?」

ゆた八「うむ。味噌も同じこと。今日用意した物は全てオレが育てた無農薬栽培の大豆から、本物の製法で作った物だよ。混じり気なしの正真正銘の本物!」

生徒たち「これが本物の味なんだね! もうスーパーのなんか食べられなくなりそう(笑)」

ゆた八「今日伝えたいのは、本物を知らない人は、ニセモノを何十年食べていても気付かないということ」

生徒たち「たしかに、今まで疑いもせずに食べていたよ…」

ゆた八「本物を売っているお店は少ないからね… 専門店にでも行かないと、まず手に入らないし、あったとしても高額だから、庶民には経済的にキツイよね…」




生徒たち「じゃあ、納豆も同じ?」

ゆた八「うむ。食べてごらん」

生徒たち「私… 納豆苦手なんだけど…」

「ボクも… ニオイが無理…」

ゆた八「食べなくてもいいから、ニオイだけかいでごらん」

生徒たち「クンクン…」

「あれ? あまり臭くない! いや、それどころか上品な香りがする!」

「なんで? 不思議!」

ゆた八「フフフ… これもマトモに作るとこうなるんだよ。納豆菌がタンパク質を分解する時にアンモニアが発生するんだけど、それがニオイの原因。でも、マトモな製法ではワラがニオイを吸収してくれるから、あまり臭くならない。だから、大豆本来の香りが優勢になって上品な感じに仕上がる」

生徒たち「そうか〜 じゃあスーパーで売られているパックの納豆がクサイのはワラを使っていないからなんだ?」

ゆた八「うむ。パックはニオイを吸収しないからクサイまま。あれも利益目当ての製法だからロクなものではない…」




生徒たち「納豆が、こんなに上品で高級そうな食べ物だとは知らなかったよ!」

ゆた八「粗悪なものしか知らなかったんだから仕方ないよ…」

生徒たち「これなら、納豆が苦手な人でも食べられそうだね!」

「先生! どこで売ってるの?」

ゆた八「なんでも安易にお金で済まそうとするのではなくて、自分で作ってみるといいよ。納豆なんて簡単だから」

生徒たち「じゃあ、作り方教えて!」 

生徒たちからの要請で、急遽納豆の作り方のレクチャーが始まった。

…………………………

ゆた八「まずは農家でワラを貰ってくる。ワラの中には必ず納豆菌が棲息しているからね。出来れば無農薬が好ましい。あとは適度な長さに切って、両端をヒモで縛る。そしたら、60℃のお湯で煮沸消毒する」

生徒たち「え? そんなことしたら納豆菌が死んでしまわないの?」

ゆた八「納豆菌は殻に包まれているから熱に強いんだよ。そして60℃くらいで殻が破れて活発に活動を始める」

生徒たち「そうなんだ〜」

ゆた八「注意点は大豆をよく洗うことと、一晩水に浸してから煮ること。そして冷めたら詰めるだけでいい。あとは日陰で何日か置けば勝手に出来上がる」

生徒たち「分かった! 私やってみる!」

「ボクも!」

「私も!」




キーンコーンカーンコーン♬

ゆた八「よし! 授業は終わり! 4品ともたくさん持ってきたから、お家の人にもお土産に持ってってね」

生徒たち「は〜い(^^)/」




つづく…







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